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芝 ) M☆3

3月8日観劇◇元・立誠小学校

M☆3の「かえりのかい」を見た。M☆3は耳にしたこともない名前で、当然観るのも初めてだった。良く観劇に足を運んでいる劇団の方々が出演されているし、また会場が地元だったのも観劇の動機になった。

M☆3とは、坂本秀夫が杉原邦生・吉澤祐太と共に2003年に立ち上げたとのこと。脚本はブルーバード。スピリチュアルなメルヘンメンへル劇作家。作風は演劇っぽくない演劇不条理な演劇だそうで、色々曖昧な表現ばかりで何やらよく分からない。演出はM☆3メンバーでもある杉原邦生。彼はKUNIO主宰で、木ノ下歌舞伎企画員でもある。2004年にプロデュースカンパニーKUNIOを立ち上げた。歌舞伎上演の新たなカタチを模索する木ノ下歌舞伎に2006年に参加。明快なポップさと相反するアバンギャルドさが混在する力技演出。今回はブルーバードの描き出す劇世界を立ち上げる 〜チラシより抜粋要約及び加筆〜

、とある。言葉は魔法で文章表現は多様であり、時に人を惑わせる。何やらよく分からない曖昧な語句の選択は、やりようによっては人を惹き込む魅惑の呪文にもなることだってあるだろう。先述した興業主・脚本担当・演出担当に対する三つの説明文は、「私の職業は総合クリエイターです」と言った相手に対してツッコミ所満載なのと同じくらいツッコめる記載ばかりである。だが何やら楽しそうな芝居っぽい予感がするし、少なくとも静かな演劇では無さそうである。私は基本楽しい芝居しか足を運ばない。金を払ってまでして暗い芝居を観る必要性を感じないからである。今作品に出演する役者さんは、何やらやらかしてくれそうな人が結構入っていた。少しのワクワク感はあった。

昭和92年、かつての小学校の教室で、かつての小学生たちによる「かえりの会」がはじまります。

超不条理 ネガティブハイテンションエンターテイメント

〜以上チラシより一部抜粋〜

舞台は小学校の教室。会場は小学校が廃校したのをそのまま、文化活動拠点として活用している施設である。構内は殆ど手を加えておらず、百年以上経た小学校の音楽室が会場である。多分、公演会場が先にあったから、この作品の起草に繋がったのだろう。ここの会場に来る度に懐かしさが込み上げてくる。私が入学した小学校も、会場として使用されている小学校と同時期に開校したものだからである。建物自体百何十年前のもので、ついこの前まで小学校として現役で使用されていた。だが近隣の小学校との統合で、現在の校舎を取り壊して、敷地に新校舎が建設されるようだ。給食室の外側についていた蛇口からお茶が出て自由に飲めたあの思い出も、私の記憶の世界だけの物語と化してしまう。これを哀しみというのかも知れない。

芝居は宛書きをしたのではないかと思われるほど、役者の特徴を活かした役を割り当てていた。御厨さんはスゴくハイテンションな役で彼らしかった。それは松岡さんも同様だ。九鬼さんと合田さんはどちらも努力クラブ所属だが、持つイメージそのままなテンションだった。九鬼さんにいじられていた教室後部にあるメダカの水槽。開演前は暗くしてあり水槽のみが照らされていた。流れている音楽も相まって、何かライブハウスにいるような心地好い感覚だった。稲森さんも熊川さんも良い味を出していた。今回のメンバーで教師役をするならばこのどちらかになるだろうが、熊川さんで正解だと思った。稲森さんは自由に遊べそうな役柄だった。彼女にしか出来ないキャラクターで楽しませて貰った。

個人的には用務員さん登場以降は何となくグダグダ感があり、特に最後の少年登場は必要無いとさえ思えた。前半は賑やかな教室を、後半は静で郷愁を表したかったのかなとは勝手な想像。

しかし総体的に日頃の小劇場観劇では見られない演出の仕方とかあり、存分に楽しめた公演だったように思う。全ステージ通してのチケット販売も結構いい感じだったのも、この作品への期待度の高さが現れていたのではないかと思われた。

それにしても観劇に来られていた、劇団ソノノチの藤原さんかわいかったなあ。対面式の客席設営は大嫌いなのだが、こう言った良いこともあるのだろう。が、大っ嫌いです。(最近対面式が比較的多くて、かなり不満やるせない私です)