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【手話 講演会】早瀬憲太郎 「スポーツと手話」 東京聴覚障害者自立支援センター

【手話 特別講演】

スポーツと手話

講師:早瀬 憲太郎 (はやせけんたろう)

場所:リフレッシュ氷川 (東京都渋谷区)

参加費:1,000円

主催:東京聴覚障害者自立支援センター

開催日時:2017年01月14日(土) 18時30分〜20時30分

☆情報保障★ 手話通訳、OHP要約筆記、磁気ループ

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まずは、私と手話との出会いから書かねば・・・

【手話を習い始める:楽しいリハビリ運動】

患者(私)は手話を習っています。

2015年4月から、板橋区の手話講習会に通っています。

親類縁者に聴覚障害者はいなかったし、なぜ手話を習おうとしたのか、未だにわかりません。

実は、外国人に日本語を教える職業に興味があったのですが、同じ言語でもそちらのほうにはご縁がなく、今に至ります。英語圏の人たちと交流の方が多いので、口からでる外国語はそれで充分だと感じている。

(※教会で英語で聖書を学ぶ会に出席している。クリスチャンでもないのに、誰でも着ていいというので通っています。教材はもちろん聖書。そしてクリスマス礼拝やその他いろいろな行事のお誘いつき。宗教の勧誘なし、費用は献金をご随意で!という太っ腹な素敵な教室です。)

耳で聞き、口で話す外国語と、目で見て手で話す外国語は、どちらも面白い。

どちらも、先生やネイティブスピーカーのやるように真似をする、うちで練習する、交流会に参加するなどして実際に使う・・・。その繰り返し。そして、やってみて間違って、覚えて忘れて、またやり直して、覚えて、忘れて、覚えて・・・の繰り返し。これを試行錯誤、という言葉で表すのでしょうか。もっといろいろな事があって、その四文字熟語よりも含みのある内容と、日々感じております。

手話は「言語」です。

手話を学べば学ぶほど、「手話は、日本語とは違う、1つの独立した言語」ということが実感できるようになってきました。耳の聞こえない人(ろう者)の書いた本を読んでいると、ろう者と耳の聞こえる人とのいろいろな違いが発見できて、ますます面白くなってきます。

ろう者の書いた本として、木村晴美さん(NHK手話ニュース、キャスター。手話通訳学科教官)の本を1冊読んでみましたが、思いもよらなかった「違い」が発見できておもしろいです。

私はリウマチの症状もあるので、適当に体を動かしておかないと、だんだん体が動かなくなります。

血流も悪いので、じっとしてばかりいると、身体の調子が悪くなり、機嫌も悪くなり、性格も悪くなります。

(性格が悪いのは、生まれつきだという話もあり)

一時期、失業した上、身体の調子が悪くなり、うつ病の症状も出ていたから家に引きこもっていましたが、

何日「休み」をとってみても、全く症状の改善が見られなかったので、外に出る事にしました。

どうせ通うなら、現金収入がある「仕事」がベストですが、病状が思わしくなく難しいので、ボランティアとか、習い事とかなんでもいいけど、現金があまりマイナスにならないものを探しました。

(同じ外出でも、買い物とかお金を使う危険性のあるものは、控えたいわけです。精神状態が悪いと、変なものを買ってしまうこともあるので、お店にはいかないほうがいい患者です、私。)

たまたま板橋区の区報に載っていたので、応募しました。手話を使って何かしようとか、ボランティア活動に参加しようとか、全く思いませんでした。「受講料無料、テキスト代が多少かかります」という文言だけで決めたようなものです。とにかく外に出る理由がなにか必要だったわけでした。

【コミュニケーションが苦手な私。手話は毎回、ぶつかり稽古】

板橋区の手話講習会は、4つのコースがあります。

入門→実践→専門→通訳養成。それぞれ1年間学び、上のクラスに行くには試験があります。見事4年間通ったら、「登録通訳者」になるための試験があります。それに合格すると、板橋区の手話通訳者として認められます。

その後は・・・、板橋区で手話ができる相談員として働いている人もいらっしゃいます。手話講習会のアシスタントとして手伝っている人もいます。

私は病状が良くなるのか悪化するのか読めませんので、あまり先のことは計画していません。

よく、ビジネス本やセミナーなどで5年、10年先の計画を立てて・・・などと言いますが、難病患者としては、

5年後は五体満足か?10年後は生存しているか?という問題があり(笑)、なかなか計画を本気で立てて実行する気持ちにならないでいます。

でも、とりあえず、4年間、どうにか通ってみようと思っています。試験に合格しないと次のクラスに行かれませんが、それはそれとして、「今年1年間、通う」という目標があり、毎日やるべきことがあるというのは、生き抜く張り合いになっています。

実際に手話をやってみると、思ったよりも面白い!

演劇やパフォーマンスを真似する感覚で、顔の表情もしっかりつかって、身体全体で表現する感覚です。

私の場合、まだまだ実用レベルの能力はないので、細かいことはわかりませんが、

とにかく「伝える」という目的に集中して、ろう者のやる手話を見てマネする。ろう者に全力でぶつかっていく感覚で、表現する。

もともとKYタイプ(空気を読まない、察しない、共感できない、腹芸や社交辞令がわからない)なので、

「相手の目をしっかり見て、はっきり表現しましょう」「顔の表情も使って、しっかり感情を表現しましょう」というコミュニケーション方法は、合っていました。得意分野といってよいでしょうか。

逆に、「察してください」「言葉と思いが裏腹」「みんなの雰囲気を読んで、それにあった振る舞いをしましょう」というやり方は苦手で、そういう「技」を多用するタイプとは人間関係を作って行けず、どこにいっても浮いているような人間でした。

特に、集団行動を求められる学校や職場で浮いてしまい、人生の前半戦は難行苦行。いい思い出は一つもございません。過去にいいことが一つもないと、年をとることや未来に希望を持ちやすくなりますので、良い事だと思っていますが、現実生活上では不都合が多く、苦しいものです。一人でいるのが一番、楽です。

人間関係を無難にやっていくために、学生時代も現在の職場でも、面倒なことを避けるために100%嘘をついているような状況です。

職場のくだらない飲み会に参加したくなくて、半年前から忘年会終了時期にかけて通勤するたびに強いストレスを感じております。最近は、病気を利用して断り続けているので、誘われなくなりました。努力の賜物!?です。

(オフィスに誰もいない状況が大好き。仕事はきっちりやりますので、ご安心ください)

そんな人間関係が全くダメな私が、唯一楽しく「交流」できるのが、「外国語の練習会」です。

最初に、「お互い、分化も言語も違う者同士、通じないのが普通」「コミュニケーションに障害がある」という前提でコミュニケーションを試みるのが、素敵です。

通じない、という前提であるからこそ、どうやったら伝わるだろうか?と工夫をします。また、相手の事を理解しないと話ができないので、相手の言語や文化を調べて、実験的にそれらの採取した「道具」を使ってみます。

そうやっているうちに、相手もだんだん心を開いてきて、こっちもだんだん開けてきて、どうにかおおよそのところが通じるような、感じになってきます。

通じている、というのは、もしかすると「気のせい」かもしれません。でも、その試みを続けていくのが、関係を続けていく事にもつながっていくようでして、気がつくとそろそろ2年目になろうとしています。

何事も長続きしない傾向がある、根性のない私にとっては、奇跡のような出来事です。

しかも、参加するたびに、まるで演芸場にいるような楽しい気分になり、やればやるほど体も心も明るく軽やかになっていきます。魔法のリハビリ体操。そのうち、自分のリハビリだけではなく、ちゃんと人の役に立つレベルに到達して、便利に私を使っていただけるようになれればうれしいです。

【ようやく講演会の日記】

【スポーツ番組のキャスターならではのお話】

今回の講習会では、早瀬氏が、スポーツを始めるきっかけとなった出来事、リオデジャネイロ五輪のキャスターとして感じたこと、ユニバーサル放送を作っていく上でのいろいろな工夫についてお話していただきました。

ユニバーサル放送と、バリアフリーは、違う!・・・そんなこと、初めてしりました。

どうも両方ともあいまいにイメージしているだけで、本当のことをしっかり知ろうと思っていませんでした(反省)。

早瀬氏曰く(手話で、曰く)

・ユニバーサル放送・・・初めから手話や字幕、音声などの配慮をする前提で作る。

    例えば、(字幕が入る場所が画面上に必要だから)撮影する時に字幕が入ることを予定して撮る。

バリアフリー・・・後付け。

    すでにあるものに対して、障害をとりのぞく加工をすること。

    そのため、テレビの字幕などは、邪魔な位置に入る事があり、見る方は我慢して仕方なく見ていることが多い。ドラマで人物の顔に字幕がかかったりして、ストレス!

リオのパラリンピックをテレビで放送した時、いろいろな試みがなされたそうです。

(うちはテレビがないので、実際に見ていません。残念!誰か、テレビ、ください)

メインのキャスターの他に、ろう者3人(手話)、字幕、音声で説明する(目の見えない人向けの説明)、その他いろいろ・・・たくさんの専門家の力を借りて、一つの放送が出来上がったということを知り、感動しました。

何となく画面を見ていたら、全く気が付かないことです。

ま、そもそも、見ている人が違和感や不便さを感じないように、初めから作っているのですから、当事者ではないとわからないことだと思います。

特にスポーツの字幕は難しいとか。

例えば、聴覚障害者向けには、字幕が必要ですが、字幕の色が6色あるそうです。

・メインキャスター

・他のキャスター

・実況中継

・選手(本人)のコメント

・ナレーション

・ (忘れた!ごめんなさい)

それぞれ色分けをして、誰が話した内容かはっきりわかるように工夫がされているそうです。

また、字幕の位置や出し方、背景などにも見やすくする工夫がありました。早瀬氏も、字幕が下の位置に出る事を予想して、撮影時には黒いズボンをはいて字幕の背景の色と合わせた、とおっしゃっていました。

(ここに書いたのは一例です。他にもいろいろな事を話してくださいました)

また、いろんな人が見番組なので、わかりやすい手話を考えて工夫したとも。

5秒くらいの画面での表現でも、練りに練った表現にして、更に、番組が終わってからも、ダメ出しをしていました。講演会でも、参考事例としてご自分が出演している箇所をスクリーンに映して見せてくださいましたが、何度も再生しながら、自分の仕事はまだまだだと嘆いておられました。

職人気質というか、向上心が強いというか、とにかく上を目指して成長し続ける方ですね。感動しました。

【夢は光、諦めは毒】

私は、手話学習を通して、いろいろな聴覚障害者のイベントに参加するようになりましたが、

これは本当に素晴らしい効果を、この患者にもたらしてくれました。

早瀬氏は、生まれつき耳が聞こえませんから、手話歴=年齢です。それにも関わらず、「表現がまだまだ」とおっしゃっていました。ご自分のお仕事にたいして責任感が強く、また、関わっているすべての人の役に立つように頑張っていらっしゃいます。

自転車競技の選手としては、高齢な方で、40代は誰もいない、自分一人だ!とも。

「初めて」というのが大好きで、誰もやったことがない分野を切り開いて行く事に情熱を傾けておられます。

高齢で自転車競技に参加している人としては、105歳のフランス人男性、ロベール・マルシャン氏のニュースが、最近、私の心をぐっとつかみました。下記、ウェブサイトを見ると、本当にすごい人生だと思います。

アンパンマンで有名な故・やなせたかし氏も、遅咲きの人生です。ピアニストのフジコ・ヘミングさんも晩年になってから運が開けて有名になられました。

どの人も、諦めないで、夢をつかんだのだと思います。決して楽ではない道を歩み続けるのは大変です。

私なんかは、毎日、小さなことでへこたれています。

しかし、諦めたところで病状は良くならないし(むしろ悪くなる、精神状態が悪くなる→体も悪くなる→負の連鎖が始まる)、何もいい事はありません。諦めなくて続けても結果が出るとは限りません。結果がでないまま死んでしまったら、バカだったなと思うだけかもしれません。

しかし、楽しようとか、効率よくやろうとして、うまくいった試しがない人生を歩んでいます。個人的に「思い通りに絶対ならない、一生楽できない人生」を約束されているような気がします。だから、困難を乗り越えていく人たちの活躍に励まされます。

自分はどれほどの者でもありません。ただのヘタレですが、それでも毎日やるべきことをしっかりさせていただいて、悔いのない充実した人生を全うしたいと強く思います。

2016年12月にラジオ深夜便で放送されていた佐伯チズさんの「わたし終いの極意」というコーナーで、チズさんが「希望は薬、諦めは毒」とおっしゃっていましたが、その通りだと思います。もっとも、薬の副作用で苦しめられている私にとっては、薬ではなく、光と言いたいですが。

年齢や障害などを理由に、自分が輝くことを諦めることがないように。

毎日の積み重ねが、未来を作っていくと肝に銘じて、今日も明るく楽しく、やるべきことをしっかりやって悔いのない一日をすごしましょう。

【おススメ記事】

http://cyclist.sanspo.com/308064

自転車新聞サイト 

105才のフランス人男性が、アワーレコードに挑戦

誇らしげに「ライバルの登場を望む」←すてきなコメント!

http://www.tokyo-jinken.or.jp/jyoho/50/jyoho50_interview.htm

TOKYO人権 第50号(平成23年7月28日発行)

早瀬憲太郎さんのインタビュー記事

奥さんもすごいです。必読。